祭りの楽器百科

祭りの鳴り物:鉦(かね)とチャッパの基本的な構え方・鳴らし方

Tags: 祭りの楽器, 鳴り物, 鉦, かね, チャッパ, 初心者, 演奏方法

祭りの鳴り物とは:鉦とチャッパの魅力

祭りの演奏は、太鼓の力強いリズム、笛の華やかな旋律、そして鳴り物の響きが一体となって構成されます。鳴り物は、祭りの賑やかさや高揚感を演出し、演奏全体に彩りを加える重要な役割を担っています。特に、鉦(かね)とチャッパは、多くの祭りで耳にする機会が多い代表的な鳴り物です。

これらの楽器は、太鼓や笛に比べて比較的シンプルに見えますが、その響き一つ一つが祭りの雰囲気を大きく左右します。初心者の方にとって、まずどのような楽器なのかを知り、基本的な音の出し方を学ぶことは、祭りの楽器の世界への第一歩となるでしょう。ここでは、鉦とチャッパに焦点を当て、その基本的な構え方や鳴らし方について解説します。

鉦(かね)の基本

どのような楽器か

鉦は、真鍮や青銅などで作られた金属製の打楽器です。一般的には、皿のような形をしており、中心部が盛り上がった部分(撞木:しゅもく)を、鹿の角や木材などでできたT字型のバチ(撞木、または鹿木:かのこ)で叩いて音を出します。祭りで使われる鉦には、手で持って鳴らすものや、枠に吊るして演奏するものなど、いくつかの形態があります。手で持つタイプは、片手に本体を持ち、もう片方の手にバチを持って演奏します。

基本的な構え方と持ち方

手で持つタイプの鉦の場合、まず本体を利き手ではない方の手で持ちます。鉦の縁を持つか、専用の持ち紐や金具があればそれを利用します。しっかりと安定させることが重要です。姿勢は、立った状態でも座った状態でも演奏できますが、体の中心で鉦を構えるようにすると安定しやすいです。

バチは、利き手で持ちます。バチの柄の部分を軽く握りますが、あまり力を入れすぎず、手首の柔らかさを使って振り下ろせるように持つのがコツです。バチの材質によっても音色が変わることがあります。

基本的な鳴らし方

鉦の基本的な鳴らし方は、持った鉦の中心の盛り上がった部分(撞木:しゅもく)をバチで叩くことです。叩く位置や強さによって、音色や響きが変化します。

祭りの演奏での役割

鉦は、祭りの演奏においてリズムを刻む重要な役割を担うことが多いです。太鼓のリズムに合わせて合いの手を入れたり、特定の合図として用いられたりもします。「チーン、チーン」といった規則的な音は、祭りの進行を支え、聴衆に心地よいリズムを提供します。

チャッパの基本

どのような楽器か

チャッパは、真鍮などで作られた一対のシンバルのような楽器です。直径10cmから20cm程度のものが多く、それぞれの中心には紐が通してあり、この紐に指を通して持ちます。両手に一つずつ持って、互いに打ち合わせて音を出します。見た目はシンプルですが、打ち合わせ方によって様々な音色を出すことができます。

基本的な構え方と持ち方

チャッパは、両手の親指または人差し指と中指を使って紐に通して持ちます。手のひらを上にするか、下にするか、または垂直にするかなど、持つ角度によって打ち合わせやすさが変わります。チャッパ本体が安定するように、紐の通し方や指の使い方を調整します。体に対して水平に構えることが多いですが、演奏スタイルによって斜めに構えることもあります。

基本的な鳴らし方

チャッパの基本的な鳴らし方は、持った二つのチャッパを互いに打ち合わせることです。単純に打ち合わせるだけでなく、打ち合わせる角度や強さ、打ち合わせた後に離すか擦り合わせるかなどで、多様な音色を出すことができます。

祭りの演奏での役割

チャッパは、祭りの演奏においてリズムの強調や、演奏全体のアクセントとして使われることが多いです。太鼓や鉦のリズムに合わせて「シャン!」と打ち鳴らしたり、特定の場面で派手な音色を加えたりします。擦り合わせる音は、演奏に独特の緊張感や華やかさを加えることもあります。

入手方法について

鉦やチャッパは、和楽器専門店や、祭りの用品を扱うお店、またはオンラインショップなどで入手することができます。新品だけでなく、中古市場に出回ることもあります。初めて購入される場合は、可能であれば実際に楽器を見て、重さや持った感触、音色などを確かめてみるのが良いかもしれません。地域の祭りの団体によっては、練習用に貸し出しを行っている場合もありますので、問い合わせてみるのも一つの方法です。

まとめ

祭りの鳴り物である鉦とチャッパは、祭りの演奏において、リズムを支え、演奏を彩る大切な役割を担っています。それぞれの基本的な構え方や鳴らし方には、楽器の構造に合わせたコツがあります。まずは楽器に触れて、基本的な音の出し方を試してみることから始めてみるのが良いでしょう。これらの楽器の魅力に触れることが、祭りの世界をより深く楽しむきっかけとなることを願っております。